リップル裁判、司法の監督権を譲渡、トーレス議員がSECに仮想通貨規制の再考を促す

2023/07/19著者:

米国証券取引委員会(SEC)とリップル社との間での訴訟が、重要な展開を迎えている。ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所のアナリサ・トーレス(Analisa Torres)判事は7月17日、リップル裁判の未解決事項をサラ・ネットバーン(Sarah Netburn)判事に移送する書類を提出した。

 

監督権の移譲、一般公判前審査への一歩


エレノア・テレット(Eleanor Terrett)が最初に報じたところによると、リップル裁判の進展は「判事に付託する修正命令」に関わるもので、実質的に司法の監督権を判事に譲渡するものだ。

 

コインテレグラフが報じた1ページの文書は、この事件が一般公判前段階に進んでいることを示唆している。この段階は通常、証拠開示を含み、異議を申し立てるための狭い窓口を提供する。

 

一般的な公判前段階は、和解の可能性が最も高い。コインテレグラフが最近報じたように、業界の専門家は、SECによる先週のトーレス判事の判決に対する上訴はあり得ないと見ている。

 

7月13日、リップル社にとって重要な勝利となったトーレス判事は、「リップル社が発行する仮想通貨XRPを取引所に上場して個人向け販売する場合は有価証券ではない」と判決した。この判決は、XRPが証券ではないことを証明するものであり、仮想通貨全体に影響を与えるものだと解釈されている

関連:リップルとSEC裁判に判決!「XRPは有価証券ではない」と一部勝訴!

 

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トーレス議員、SECに仮想通貨規制の再考を促す


リップル社の勝利を受けて、リッチー・トーレス(Ritchie Torres)下院議員は米国証券取引委員会(SEC)に書簡を送り、仮想通貨規制へのアプローチを再考するよう促した。

 

トーレス議員は、SECの「暗号資産に対する十字軍」は差別的であり、法的根拠を欠いていると主張している。トーレス判事の判決は、「投資契約」の存在を証明する必要性を強調し、ハウイー・テストの厳格な適用への回帰を示すものであると称賛している。

 

さらに、この判決を「トーレス・ドクトリン」と名付けるべきであるとし、仮想通貨自体は証券ではないが、投資契約の一部として販売することは可能であるとしている。

 

この書簡はまた、SECが仮想通貨業界に対して公正な通知を怠っていると批判している。ゲンスラー(Gensler)議長の下、SECは仮想通貨に関するルールを1つも発行しておらず、明確な指針も示していない。トーレス議員は、SECの複雑なメッセージと恣意的な執行措置が混乱を引き起こし、公正な通知の原則に違反していると主張している。

 

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リップル裁判の次の段階に楽観的


以前、待望の「ヒンマン文書」の公開命令を出したネットバーン判事が、この来るべき段階を取り仕切ることになる。一部の専門家は、SECがリップル社との和解を選択する可能性を予想している。

関連リップル裁判、SECのヒンマン材料が公開 SECへの批判を浮上

 

この「ヒンマン文書」は、2018年に当時のウィリアム・ヒンマン(William Hinman)長官が行ったスピーチの抜粋を掲載したSECのファイル集で、極めて重要な証拠となることが期待されていた。その公開は、仮想通貨コミュニティが期待したようなインパクトを本件に与えなかったかもしれないが、その後のリップル社の一部勝訴は、仮想通貨全体のセンチメントに影響を与えたことは間違いない。

 

この訴訟でSECの主張に異議を唱えたネットバーン判事の経歴を考えると、このポジティブなセンチメントが持続するという楽観論が優勢だ。本稿執筆時点では、リップル(XRP)は1XRP=111.18円で、過去24時間比6.67%上昇している。

 

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